「平均」の種類と計算方法を俯瞰してみる
「平均」の種類と計算方法を俯瞰してみる
今回扱う平均の種類について
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算術平均
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加重平均
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幾何平均
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移動平均
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調和平均
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トリム平均
定義について
(1)算術平均(相加平均)
データx1…xnの総和(Σ)をデータ個数(n)で割ったもの。
例:(1+10) / 2 = 5.5
この算術平均は、外れ値(異常値)の影響を受けやすいため、その場合は、下記で説明する幾何平均を使うと良いです。
(2)加重平均
各データ値に対して重み付け(w)を掛けて算出する平均のこと。
下記の例のように、重み付けすることで実態により近い値を算出可能です。
例)平均掲載順位1位:表示回数 1回、平均掲載順位10位:表示回数1000回 の時の平均掲載順位は?
算術平均 = (1+10)/2 = 5.5位
加重平均 = (1*1+10*1000)/(1+1000) = 9.99位
加重平均の方がより実態に近いといえる。
(3)幾何平均
データ個数(n)の場合、各データ値の「積」のn乗根をとった値。ただし、データ値にゼロ以下の数値がある場合は利用できません。
例)昨年売上比は前々年(500万)の2倍の1000万となり、今年は前年比の98倍(98000万)になった時の前年比の平均は?
算術平均 = (2+98)/2 = 50倍 → 500万 * 50倍 * 50倍 = 1250000万
幾何平均 = 2√ 2*98 = 2√196 = 14倍 → 500万 * 14倍 * 14倍 = 980000万
幾何平均の方が実態に等しい(近い)といえる。
(4)移動平均
時系列データ値など、平準化する場合に用いる平均のこと。
例)過去5日移動平均の場合、当日を含む過去5日間の合計を5で割りつつ、1日ずらしながら点を線で結ぶ。
(x1 + … + x5) / 5
(5)調和平均
逆数同士の算術平均を調和平均と呼びます。往路と復路の全体での平均速度を例として説明されることが多いです。
例)行きは、バイク(時速60km/h)で30分走行した。帰りは、歩き(時速4km/h)で7.5時間歩いた。この時の平均速度は?
算術平均)(60+4) / 2 = 32km/h
調和平均)2/ (1/60 + 1/4) = 7.5km/h
(6)トリム平均
異常値の影響を受けにくくする平均としてトリム平均があります。5%トリム平均や10%トリム平均など、○%トリム平均と呼びます。この場合、データを昇順で並べたのち、それぞれ片側(両端)から5%ないし10%のデータを除外して平均する方法です。
例)10個のデータの10%トリム平均を算出する場合
算術平均) (1+5+10+15+20+20+30+30+40+1000) / 10 = 117.1
10%トリム平均)(5+10+15+20+20+30+30+40) / 8 = 21.25
まとめ
算術平均を常に使えば良いということではなく、データ分析をするにあたり、時に算術平均以外の平均を使用する必要が出てきます。例えば、Googleサーチコンソール(GSC)については加重平均を使って平均掲載順位を求めることが必須となります。上記を参考に、一度、整理しておくと良いと思います。
参考ページ)
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