Tableau Desktop Certified Professional 受験準備編-Part8
Tableau Desktop Certified Professional 受験準備編-Part8
Attributes
①Form(形)表現の役割について
- Length(長さ)表現の特徴
量的データ同士を比較する時によく用いられる表現です。特に小さな差異を正確に識別するのに優れている表現です。さらに、Bar Chart(棒グラフ)のように、降順あるいは昇順にソートすることにより似たような長さの値が近接しますのでより比較がしやすくなります。ソートもあわせて上手に活用すると良いです。ただし、積み上げ棒グラフのように、比較対象となる値のベースラインが揃っていない場合は比較が難しくなります。
- Width(幅)表現の特徴
量的データ同士を比較する時によく用いられる表現です。Length(長さ)と違って、小さな差異の大小を正確に識別するのは苦手です。大まかに大小を把握する目的であればWidth(幅)を活用して大小を大まかに視覚化すると良いです。なお、太字(Boldface)もWidth(幅)表現の一つです。これを活用することデータを強調することができます。
- Size(大きさ)表現の特徴
量的データ同士を比較する時に用いられる表現です。Width(幅)と同様、小さな差異あるいは正確な差を識別するのには向いておりません。そして、散布図のように比較対象がかなり離れている場所に位置する場合は、さらに値同士の比較が難しくなってしまうという側面があります。また、配色によって、サイズ感を錯覚でミスリードしてしまうこともあります。活用シーンは、Width(幅)同様、大局的に概要を把握したい目的でSize(大きさ)をうまく活用できると良いです。正確な差異は、Bar Chart(棒グラフ)などと併用すると良いです。また、文字の大きさを変えることで、より重要性を強調させることも可能です。
- Orientation(向き)表現の特徴
量的データを表現するものと想起されますが、スピードメータの針の「向き」のように、それ自体に何ら意味をもたないことも多いです。そのため、データ解釈する上では集中阻害要因となりやすいため注意が必要です。そして、極端にスペース効率が悪いため、特別な意図を持ってしてもダッシュボードではなかなか選択しづらい表現手法といえます。Line Chart(折れ線グラフ)のように、Trend(全体傾向)を把握するために「向き」を活用すると良いです。それでもなお、量的な差異、正確な差異を把握することは難しいといえます。
- Shape(形状)表現の特徴
カテゴリカルデータ(質的あるいは性質の違い)を表現する時に用いることが多いです。形状の違いで質的違いを表現できますが、形状が似ていると質的に似ているのではないか?とミスリードしてしまうことも少なくないです。また、人間の短期記憶の限界で7個を超えて形状の違いを認識できないため、形状の数を考慮する必要があります。通常、2から5個で抑えると良いです。なお、♂や♀などのように直感的に何を表しているかがわかるような形状を上手に活用することがポイントです。また、色の持つ意味を理解して色でエンコーディングすると理解力がさらに増す場合が多いです(男性:青色、女性:ピンク)。
- Enclosure(囲み)表現の特徴
カテゴリカルデータ(質的あるいは性質の違い)を表現する時に用いられることが多いです。境界線を使うことで、何らかの意味的な塊に区分けされたと認識されやすくなります。ただし、境界線自体に特に意味がない場合、集中力を阻害したり、あるいは、ミスリードする可能性が高まりますので特に注意が必要です(単なる囲み線・色の網掛けなど)。なお、外れ値など、特定の値についてはEnclosure(囲み)を活用することで重要な情報として認識されやすくなります。
②Color(色)表現の役割について
- Color(色)表現の特徴
色表現を活用する場合にも注意点があります。
1.背景色
基本的に背景色は使わない方が良いです。背景色を用いる時はグラデーションが入った背景色は使ってはいけません。
2.色覚異常
ビューアには一定数、色認識数が不足しているビューアがおります。配色により工夫が必要になる場合があります。
3.色相
カテゴリカルデータ(質的あるいは性質の違い)を表現する時によく用いられます。同じ色相を同じグループと判断する傾向があります。色相をうまく使うことで質的あるいは性質の違いを表現できます。ただし、色相は7個(2から5個)までに抑えておく必要があります。抑えるにあたって、当該カテゴリの上位カテゴリで色分け表現するなどの工夫をすることで色相数を抑えることも可能です。
注意を払いたい場合でも色相を効果的に使えます。例えば、正常あるいは異常を色で強調する場合は、暖色(異常値)と寒色(正常値)を使うと効果的です。
4.色の意味合い
色の持つ意味に注意を払う必要があります。通常、ビューアにとって、色は直感的でなければなりません。例えば、赤色はマイナスを現し、青色はプラスを現す、などです。しかし、企業、国土あるいは文化的な背景の違いでこれらの色の意味が逆になってしまうこともあります。したがって、ビューアにとって直感的でなければならず、ミスリードの可能性を常に意識することがポイントです。
5.色濃度
色濃度は、量的データの違いを表現することができます。ただし、色濃度の差で、小さな差、正確な差は理解できません。大局的に量的な差異を表現するには効果的です。色濃度には、シーケンシャル、色の分化あるいは、ステップドカラーを選択可能です。例えば、利益を表現する場合は、0を中央値として2色で表現する方法も効果的です。なお、色濃度を濃い方を大きな値と設定しておくことでミスリードを防げます。
③Position(位置)表現の役割について
- 2-D Position(2次元・2軸)表現の特徴
1.距離
比較対象となる量的データ同士の小さな差異を表現するのが得意です。ただし、比較対象となる値が離れていると比較は難しくなります。その場合、棒グラフの場合は降順でソートし、散布図の場合はドロップラインを使用することを検討すると良いです。
2.可読性
通常、X軸は左から右へ読み、Y軸は、上から下に向かって読みます。そのため、数値のもっとも大きなものを左あるいは、上に配置しておく必要があります。この想定から外れる場合はミスリードに繋がりますので注意が必要です。
3.視線誘導
視線の誘導にも配慮が必要です。いわゆる、Z導線やF導線を意識する必要があります。例えば、Z導線では、左上に概要データを配置した上で、右上→左下→右下の順でデータを詳細化して配置しておくとビューアにとって自然な視線の流れになります。
4.ラベルの向き
テキストラベルが縦向きにならないよう、水平に配置することも大切です。認知負荷を下げる意味でとても重要です。その場合、横棒グラフが馴染みやすいです。
- Spatial Grouping(空間的なグループ)表現の特徴
意図した空間的グループに別れているか注意してください。近接している部分は同じグループと捉えられる傾向があります。関連性がない場合は視覚化をする上でミスリードしない工夫と再配置が必要です。
まとめ
今回は、感覚記憶の前注意処理に効いてくる、Form(形)、Color(色)、Position(位置)を使った表現手法の特徴をみてみました。これらの特徴を認識した上でエンコーディングを工夫することによって、より効果的かつ効率的にデータ特性を伝えることが可能となります。これを機に、ぜひ、ビジュアル分析クラスルームトレーニングを受講して理解を深めてください。