個客分析でできること
※注意)弊社代表の独断と偏見です。
個客分析でできること
今回のテーマ
本日は、個客分析について触れてみます。
特にクロスデバイストラッキングによる個客分析について考えてみます。
最近、個客分析の必要性が取り沙汰されております。
その理由は、下記の6つが考えられます。
・セッションベースでの分析・効果測定・施策立案の限界
・ファネル分析の限界(ファネルゴールが個客視点でのゴールと必ずしもイコールではない)
・カスタマージャーニー視点からの定量化は、事業改善インパクトが大きい
・コンセプトダイアグラムとステップ定義との親和性が高い
・クロスデバイスベースでユーザーの動きを掴まないとアトリビューション分析が精緻にならない
・個客単位での経路解析は個客の「気持ち」を推しはかるのに適したツール
そこで、本日は、クロスデバイストラッキングによる個客分析の方式設計と、その仕組みで何ができるかを少し考えてみます。
目次)
- クロスデバイストラッキングの方式設計
- これを利用してできること
1. クロスデバイストラッキングの方式設計
上記の設計は、GoogleアナリティクスのUSER-ID機能に限定しません。
Tableau(タブロー)上で、PCセグメントされたデータソースとSPセグメントされたデータソースの2つのデータソースをデータブレンドすることも想定しております(キー:デバイス、既定のチャネル、カスタムディメンション:UserID)
これにより、Tableau(タブロー)上で、UserIdをキーとしてデバイスを横断したカスタマージャーニーマップが作成できます。上記の例で行くと、午前:11:05に[広告]で初訪問したユーザーがサイトを認知、午後:09:45でスマホで[自然検索]で再訪、さらに、午後11:18にPCで[自然検索]で再再訪といった、一連の行動が検知できます。
* ただし、ログイン機能がないと仕組み化しづらい点があります。
その場合は、cid(クライアントid)のみを利用します。
2. ここからできること
①CVアシスト施策実施、CV最大化、CV効率化
おそらく、午後09:40のスマホは帰宅途中でのスマホ利用です。仮に、午後11:18がCVとなった場合、本来的にアシストとして貢献しているのは午後09:40のスマホ利用といえそうです。また、こういうカスタマージャーニーが相対的に多量であることを定量化・可視化されれば、非常に重要なインサイトとなります。
施策としては、①午後09時間帯にスマホで積極的に再訪させる施策を試みる、②その時にCVアシストできそうな施策を考え、実施する、となります。③また、大事なことは①のターゲットが誰か?です。
もちろん、帰宅通勤途中のスマホ利用したサラリーマンと考えるのが自然でしょう。そこがターゲットです。ここでは、主婦の可能性は低いはずです。なお、主婦なのか、サラリーマンなのかを選別する上でもやはり、クロスデバイストラッキングでのカスタマージャーニーでの定量化は重要です。cidやUserIdを使ってカスタマージャーニー化するべき理由の一つです。
当然、Googleアナリティクス上で、単純に主婦やサラリーマンをセグメント化することはできません。ここはTableau(タブロー)上でしっかりセグメントした上で、ターゲットを選別し、Googleアナリティクスへデータインポートし、ユーザーリスト化するイメージとなります(後述)。
②イベントトラッキングデータとの掛け合わせによるリマーケティング効率化
イベントカテゴリ :熟読達成
イベントアクション:該当ページ
イベントラベル :前のページ
仮に、上記のようなイベントトラッキング設定をしていたとします。
午後09:40で接触したページが「商品詳細ページ」とした場合、熟読達成したユーザーとそうでないユーザーと比較してCV数やCVRに差があるかを確認します。もし、クロスデバイストラッキングによる「カスタマージャーニー定量データ」でその差が認められた場合、リマーケティングのリストクオリティはさらに高めることができます。
同時間帯に、同様の動きをしたユーザーをセグメントした上でユーザーリスト化しておけると良いでしょう。
具体的なリスト作成方法は、Tableau(タブロー)から上記条件に当てはまるユーザーを割り出し、クライアントIDをCSV化する。そして、当該CSVにリマケフラグを追記した上で、この加工済みCSVをGoogleアナリティクスへインポートすると良さそうです。
キー :クライアントID
更新データ :カスタムディメンション(リマケ対象フラグまたは、ステータス管理)
③コンセプトダイアグラムのステップ定量化もしくは、ステップ修正
特に、ゴール設定の定めのないブランドサイトで、このクロスデバイストラッキングによるカスタマージャーニー化は威力を発揮しそうです。
ブランドサイトでは、初訪問したユーザーに数々のイベントや体験を通して最終的にどうなって欲しいか、そこをゴール設定します。
その場合、初訪問から成熟しながらゴール設定までたどり着く時のステップを図解(コンセプトダイアグラム)し、それぞれのステップ状況を測定可能なレベルまで落とし込みます(ステップ定義)。
詳細は下記
https://www.waca.associates/jp/wp-content/uploads/2017/02/blog02_8.jpg
実際の測定方法として、今回のクロスデバイストラッキングによる、カスタマージャーニーからの定量化手法を活用できます。そして、計測可能となれば、ステップ状況の良否と見直しが可能です。
④本当は貢献度の高かった広告の発見
・Googleアナリティクスのデフォルトのアトリビューション
・クロスデバイスベースでのアトリビューション
上記2つで比較した場合の差があることがそれなりにあり、広告の最適化を進められます。
⑤経路解析からの定性評価
ユーザーの気持ちを推し量ることが可能となります。
例えば、なぜ、このようなページで1分以上も滞在しているユーザーが大半をしめていたのか?
なぜ?
そこを集中的に考察すると、インサイトが効率的に発見できるようになります。
おそらく、中間CVになっている可能性が高いです。
まとめ
今回は、クロスデバイストラッキングによるカスタマージャーニ化をするにあたって、方式設計を検討してみました。また、その活用方法を考えてみました。ログイン機能を備えていない場合は、cid(クライアントID)でも良いと思います。
なぜ、個客分析をやらなきゃいけないか?、そして、何ができるのか?
そこをしっかりと理解した上でこの手法を取り入れられると良いです。それには、BIツールやETL・DWHも必要になって来ることもあると思います。
今回は方式設計にとどめておりますが、次回は、具体的なアプローチで言及したいと思います。
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