プレゼンテーション資料を知る
今回のテーマ
プレゼンテーション資料を知る
2015年07月に、家弓 正彦講師主催のセミナーを受講しました。
とても有意義な内容でしたので著書をご紹介します。
書籍
こんなかたにオススメです!
- プレゼンテーションの目的は、自分のイイタイことを相手に伝えること、と考えている
- 1つのスライドに、2つ以上のイイタイことをよく書いてしまう
- スライド作成のコツは、「引き算」の作業であることに気づいていない
- 資料作成途中で最終ゴールがみえなくなってしまうことがよくある
- スライド作成のためのフレームワークがあることを知らない
- 1スライド、1キーワード、1メッセージの原則を知らない
- プレゼンテーションの聞き手は、その場で聞いて、その場で理解して、その場で決断する、過度のストレスがかかっていることに気づいていない
- 聞き手は3つを超えて記憶することが困難であることに気づかない
- プレゼンテーションのアイスブレイクは”ギャグ”と誤認している
- 意味のないリフレーズには意味があることを知らない
なぜ、この本を薦めるのか
- 著者がグロービス経営大学院教授であり、エッセンスが詰まっている。
- 2015年7月に開催されたロジカルプレゼンテーションセミナーがとても有意義な講義であり、かつ、その内容が著書にしっかりと反映されていたため。
- 理論的な体系学習によって、プレゼンスキルの現状課題と改善策がわかる。
- ライティング、SEOキーワード選定といった観点からも、その理論を活用できる。
プレゼンテーションの最終目標は、人を動かすこと(行動喚起)
どんなに素晴らしい提案内容でも、クライアントが受け止め、やってみよう!という行動喚起につながらなければ意味がありません。
最終目的は、call to action です。
自分のイイタイことを伝えるだけ、ではこの目的をなかなか果たせません。
あらためて、著者が考えるプレゼンテーションとは
相手の欲求に準じて(聞き手が主役であることを認識する)
自らの主張を(相手のニーズに対応していることを確認する)
相手に理解してもらい(簡潔さが大事)
納得・共感を得ることによって(論理と熱意)
期待する行動を起こしてもらうこと(call to action)
大切なのは、たったの4ステップ(フレームワーク)
①コンセプトの決定
②ストーリー作成
③ドキュメント作成
④プレゼンタールール
①コンセプトの決定 ※パソコンはつかわない
1.オーディエンス分析
・相手の立場を把握する
(部署、役職、役割、経歴、影響力をもつキーマン、決裁者、情報・知識レベル、専門分野か否か、肯定派か否定派か)
状況が不明な場合は”仮説”で良いです。
分析ツール)DMUマップ
2.ニーズ分析
・プレゼンの機会を得た背景・理由を知る? そこがニーズであり、今回のプレゼンの目的です。
・ニーズに応えるとは、目的を実現するための”ベストプラクティス”を考え、提案することです。
上着が欲しいお客様に上着をそのまま勧めるのは手段の提供にすぎません。
暖房をすぐにつけるなど、もっとも良い解決策が他にないかを考えます(マーケットアウト)。
・DMUマップで最終的に提案内容の目線を揃える(実現可能性)
もっと良い解決策があるが、提案対象レベルで実現できない提案では意味がありません。
・ニーズ分析は、情報があってこそ。事前のヒアリングも大事。
分析ツール)ギャップ分析、なぜなぜ分析
3.自己分析
・プレゼンテーションの聞き手にとって、一番のプレゼンをめざす
分析ツール)エレベーターピッチ、FAB分析
4.ゴール設定
・プレゼン終了時に、相手にどういう行動を取って欲しいかを明確にしておく。
②ストーリーを作成する パソコンはまだ我慢!
1.情報をかきなぐる
・何も考えずに、伝えたいことを紙にすべて書き出す(原則1枚の紙に1メッセージ)
分析ツール)ストーリーカード
2.組み立てる
・作成したストーリーカードをカテゴリ分類、
下記パターンのいずれかで並べ替える
・主張と根拠パターン
・目的と手段パターン
・全体と分解パターン
ストーリカードを「主張と根拠パターン」で並べ替えた時の例
イイタイこと = 新規事業Xに参入すべき!
その根拠はどうする?(サポートメッセージA,B)
どの根拠が良い?(Fact1,2,3,4)
根拠はどれだけ必要?(データ、分析)
3.詳細ストーリ
・主張と根拠パターンに肉付けする
分析ツール)FABE分析
・プロローグ、ボディ、エピローグ(アウトラインの提示)
分析ツール)DESC法、PREP法、SDS法
・エピローグは下記4つの中から適切なものを選定
・目標提示
・行動計画
・結論
・全体像のふりかえり
4.ドレスアップ
・なんだ??を作る(疑問・質問を作って聞き手の頭を活性化させる)
・数字のパワー、数字の言い換え
・リフレーズ
・マジックナンバー3(日本人は3つが大好き)
・エピソード(事例紹介)
・見せかけの選択肢をつくる(対案を用いて比較することで、意図的に良さを伝える)
・あえて、リスクも提示して信頼性を高める
③ドキュメントを書く
1.基本レイアウト
・1スライド1メッセージとボディのみで構築する
・メッセージは主張1フレーズのみ。
・ボディには、揺るぎない根拠。
・人の視線に配慮(Z導線、逆N導線、O導線)
2.メッセージ作成
・1スライド 1メッセージ(2メッセージにせず、スライドを分ける)
・3S(short, simple, Straight)
3.ボディ作成
・根拠データを完璧な情報でなく抜粋で良い。正確なデータは別資料で後で渡せばよい
・情報過多に注意。
・MECE(漏れなく、ダブりなく)であること
・余白をしっかりとる(詰めすぎたらダメ)
・主張は20文字以内、文章にしない(接続詞、句読点は不要なレベルまでそぎ落とす)
4.見やすい図表
・カラーはせいぜい青(+の意味)と赤(−の意味)、基本はグレースケール
・補助線、補助マークを使う
・アニメーションは使わない。順番に説明したい時だけ、控えめに使う
・チャート表現は、そのチャートの意味を理解したうえで選定する
[分解]
ベン図
ロジックツリー
ピラミッドツリー
[特性]
クロス集計
二次元マップ
四象限
[時間軸]
プロセスチャート
フローチャート
因果関係図
・9つのグラフを、意味を理解したうえで選定する
[基本型]
折れ線グラフ(時間軸での量的変化・推移を表す)
棒グラフ(複数項目を量的比較する)
円グラフ(構成比率を表す)
[内訳構成]
100%積み上げ棒グラフ(構成比率の比較)
積み上げ面グラフ(ボリューム変化と内訳変化を表す)
積み上げ棒グラフ(時系列以外の比較)
[複数データ]
散布図(2項目の相関をみる)
バブルチャート(3つの軸で比較)
レーダーチャート(4個以上の特性を評価)
④プレゼンターのルールに則る
1.受容・理解
聞き手の受容のカギは声(Volume,Speed,Tone)
滑舌
癖の集中阻害(えー、ちなみに、っで、)
3S表現
リフレーズ(もっとも重要なキーワードを3回リフレーズ)
早い段階での双方向インタラクティブなプレゼンにしてしまうのもOK
2.豊かな表現力
4つの語り口
相手が飽きてきたら疑問文を
力強いボディランゲージ
目線ルール(相手目線70%ルール、120度ルール、2秒ルール)
姿勢(糸で吊られている、力の抜けたイメージ)
服装
3.自分らしさの演出
スピーチタイプを把握、自分がどのタイプかを知る。
4.質疑応答
質問の想定パターンを事前確認
後日確認もOK
不可能な要望への回答の仕方
反対意見への答え方
まとめ
・イイタイことを伝えるだけではものたりない。聞き手に行動を起こさせるcall to action が最終ゴール。
・プレゼン準備4つのステップを意識して、いきなりパソコンを使わない。
・聞き手は苦痛を強いられている。簡潔にイイタイことは3つまでに我慢する。その我慢は聞き手を楽にする!
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